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流行語大賞2022「てまえどり」に期待?日本の食料自給率とフードロスの関係をなんとかしたい

飢える少女 時事
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うっかりしていました。かれこれ1か月以上も前、昨年の話になりますが、2022年12月1日に発表されたユーキャンの「現代用語の基礎知識選 2022ユーキャン新語・流行語大賞」の話です。

いや、発表直前まではその結果から今年の世相を斬ってやろうと意気込んでいたんですよね。しかし結果を見て断念しました。だって、年間大賞がまったく未知の「村神様」なるワードだったんですもの。

「村神様」=東京ヤクルトスワローズの村上宗隆選手のこと。1970年生まれの私は、「王貞治さんの記録超え」と説明されるとその偉大さは理解できるのですよ。しかし昨年、毎日あれだけインターネットを見ていて全く認知しなかった言葉が「流行語」と言われると釈然としないものがあります。村上選手ご本人には大変申し訳ないのですが。

10月3日、東京ヤクルトスワローズ対横浜DeNAベイスターズ戦、村上宗隆選手が王貞治さんの記録を超える日本選手シーズン最多の56本ホームランを放った。今期最終戦の最終打席に生まれたミラクル弾。この劇的瞬間は記録とともに人々の記憶に強く刻まれた。プロ5年目の22歳、村上選手の記録を挙げるときりがない。三冠王、史上初5打席連続ホームラン、通算150本塁打、2試合連続満塁ホームラン……。そのすべてに「史上最年少」の冠がつく。
出典:第39回 2022年 授賞語「現代用語の基礎知識」選 ユーキャン 新語・流行語大賞(2023/01/14閲覧)

もっとも、こちらの文春の記事によると「ユーキャン新語・流行語大賞」に、「本当の流行語」を期待した私が世間知らずだったということになりそうです。今年2023年からは私もこの大賞と世間のギャップを楽しむことにします。

ヤクルト「村神様」は、おじさんの流行語? 本当に物議をかもした「2022年の流行語」を考えてみた | 文春オンライン
そろそろ本当の流行語を考えてみよう、が今回のテーマです。先日、10代向け雑誌に流行語について書きました。この時期になると発表される「ユーキャン新語・流行語大賞」。年間大賞はヤクルト村上宗隆選手の活躍を…

さて、そんな2022年の「ユーキャン新語・流行語大賞」をいまさら取り上げる気になったのは、トップテン入りした言葉の一つ「てまえどり」に関する神戸新聞の記事を読んだからです。

同生協は、消費期限が近い商品を購入することで食品ロス削減を目指す取り組みを2016年に開始。てまえどりという言葉こそまだなかったが、尼崎市や宝塚市の組合員が勉強会を開くなどして啓発に励んだ。同生協は、そうした活動をさらに広めようと、18年から神戸市と連携。「短くて分かりやすく、啓発と行動につながる言葉」を両者で協議する中で「てまえどり」が誕生した。
出典:神戸発祥の流行語「てまえどり」なぜ浸透? 食品ロス削減へ「これなら私にも…」敷居の低さがポイントに | 神戸新聞NEXT

冒頭の「うっかりしていました」というのは、フードロス問題に関心を持っているにもかかわらず「てまえどり」をスルーしていたことです。

ここで、2022ユーキャン新語・流行語大賞の大賞以外のキーワードをもう一度見てみましょう。

その他トップテン受賞語(五十音順)
・キーウ
・きつねダンス
・国葬儀
・宗教2世
・知らんけど
・スマホショルダー
・てまえどり
・ヤクルト1000
・悪い円安

全体をざっと眺めた上での私の心の動きを振り返ってみます。

  • 「キーウ」「国葬儀」「宗教2世」「悪い円安」→「流行語」というより時事キーワードだなあ
  • 「きつねダンス」→確かによく耳にした。野球の応援ダンスだったのは知らなかった
  • 「知らんけど」→ずいぶん前から話題になってなかったっけ?2022年の流行語とすると、ずれてる印象がある
  • 「スマホショルダー」→猫背になって肩が前に出る症状だっけ?後で調べよう(後にスマホを入れるショルダーバッグであることが判明)
  • 「ヤクルト1000」→これは確かに流行ってたような。ヤクルトレディが待ち伏せされてるって話を読んだなあ

全体的な感想:「壺」がない。やり直し

「てまえどり」を完全に見落としていました。改めて新語・流行語大賞の公式ページを見てみますと、ちゃんと「てまえどり」も載っており、食品ロス対策のキーワードであることが書かれているというのに。

手前にあるものからとっていこう。スーパーやコンビニエンスストアなどで、食品棚の手前に陳列された消費期限が早めの商品から買うようにしようという取組み。
(中略)
てまえどりすることによって、まだ食べられる食品を廃棄しなければならない、もったいない事態を回避できる。食品のロスが減ればコスト削減にもつながり地球環境にもやさしい。これからは「てまえどり」のおまじないで、行きすぎた鮮度へのこだわりから、生産者へのリスペクトに認識を変えていくのだ。
出典:第39回 2022年 授賞語「現代用語の基礎知識」選 ユーキャン 新語・流行語大賞 公式ページ

せっかくフードロスについて語る機会があったというのに何たる失態でしょう。ということで、遅ればせながら2022ユーキャン新語・流行語大賞を取り上げることにしたのが今回の記事です。

いや、「てまえどり」なる言葉も、「村神様」同様全く認知していませんでしたので、ダブスタといえばダブスタなんですがね。さらにこちらの記事を読むと農林水産省の食品ロス削減キャンペーンによるゴリ押しなのかな?という気がしないでもありません。

「てまえどり」が今年の新語・流行語大賞トップ10に選出されました!:農林水産省

しかし、スーパーなどで棚の奥に手を突っ込んで消費期限や賞味期限が新しい商品を漁るという、一部の人の営みに頭にきていた人間として、これは支援したいゴリ押しだと思いました。今のところ「本当の流行語」ではないかもしれませんが、「これから流行語にしたい新語」として推したいところです。

環境省による「令和2年度 環境白書」によると、食品産業から排出される食品廃棄物の量は1,767万トン(2017年)だそうです。

そのうち、「てまえどり」によって減らせるフードロスの量がどれだけになるはわかりません。ただ、日本の食料自給率がカロリーベースで38%、生産額ベースでも66%だということをなるべく多くの人が自覚して、目の前の食べ物を捨てないようにする心がけは必要なのではないかと思う次第です。

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